
タクシードライバーの採用面接では、社会人としての受け答えはもちろん、お客様への配慮、運転スキルはどれくらいか(もし未取得であればそれを取得するための努力ができる)、がチェックされます。
現在のタクシードライバーの面接合格率はおよそ70%※。よく聞かれる内容と、質問の意図をあらかじめ予測しておくことで、自信をもって面接へ挑めるよう対策をしておきましょう。
※タクシードライバー調べ
面接は挨拶から。口角をあげてはっきり伝える
難易度★★☆☆☆
タクシーの営業は第一印象勝負です。第一声の表情・声のトーンもきちんと意識して発しましょう。面接は緊張するものですが、落ち着いてのぞみましょう。
自己紹介をお願いします
難易度★★★☆☆
まずは、面接を始めるにあたって、あなたがどのような経験を積んできたのか、どのような人柄で、自分自身のことをどう思っているのかを知ってもらう必要があります。第一印象となる喋りはじめは大切です。
この伝え方ですと、これまでの仕事・努力した自分の頑張りを伝えているだけになってしまいます。自分が伝えたい内容は、結論から話します。
そして、頑張った具体的な内容ではなくどんなことを目的にして行動に至ったのかを伝えます。
一つの文を短く伝えることで、相手にも理解しやすい内容になっています。一番伝えたい結論「責任感」を最初に述べ、具体的なこと「レジ打ち・発注作業」を後に回すことで話の流れが相手にとって掴みやすくなります。
「レジ打ち・発注作業」と「休日出勤」をすることは目的が違います。文章を2つに分けることで、より行動の目的の違いをはっきりと分けることができ、色々な気遣いができる、という印象を付け加えることができるのです。
タクシードライバーの志望動機は何ですか?
難易度★★☆☆☆
多種多様な業種がある中で、なぜバスやトラックのドライバーではなく、タクシーのドライバーを選んだのか、これまでの経験から生かせるスキルをアピールできる機会でもあります。
前職で辞めた理由はネガティブなものに受け取られてしまう傾向があります。
また、歩合給であれば他の営業職でも実現できることです。現職で窮屈に感じた点を述べるのではなく、志望する職業で得られることを見つけ、それを志望動機にすることが良いでしょう。
これまでの職業が人と接する機会があったのであれば冒頭で、未経験者との違いを伝えます。
タクシードライバーで移動手段を提供できることは、移動を求めている人にとって役立つ職業であることは間違いなく、それを手助けすることは貢献しているといえます。これは前職の経験に関係なく、ひとつの強い志望動機として伝わります。
「正当に評価されていない」ことを「歩合給」で評価されたい、という動機についても歩合給がいいのではなく、歩合給という制度は「頑張ったら頑張っただけ反映される目に見える報酬」が自分にとって選択するひとつの重要なポイントであることも伝えることができます。
なぜ当社を選ばれたのですか?
難易度★★★☆☆
面接官は入社後、仕事へ取り組む意思・やる気をきちんと持てるかを見ています。タクシードライバーが自動車を運転する職業という理解は業界でない人も知っています。
しかし、各タクシー企業の風土・特性は企業研究をしなければ掴むことができません。企業サイトや、転職サイト、会社説明会・業界本などを確認し、数社を比較しながら目に留まったエピソードを探してみましょう。
他社との違いを述べている点は良いのですが、どの会社でも同じようなことを言っている印象で倍率の高い企業であれば足きりの可能性が高まります。
そして、冒頭に述べている企業理念と、最後の共感した「営業ノルマが設定されていない点」は軸がぶれているという受け取り方になりかねません。
企業が目指すべき理念がきちんと実現できているところに目を向けた文章です。
最初の一文で企業研究をしっかり行った上で誤解なく自分の言葉に落とし込んでいます。自分の実現したいことと企業の理念を絡めて自分が会社に入ったことを想像しながらどう会社に貢献していきたいか、を伝えることが重要です。
普通免許は持っていますか?事故違反はありませんか?
難易度★☆☆☆☆
面接時には主に履歴書と運転免許証を持参するように伝えられます。免許証での確認事項では第2種免許取得のための資格が備わっているかの質問を受けることになります。
この質問のポイントは一つだけ。正直に答えることです。
第二種免許取得のための試験には下記を満たしていることが条件になります。
- 満21歳以上
- 自動車運転第一種免許の取得から3年が経過していること
以上とは別に、過去に事故違反の有無は必ず確認されます。
多くの企業ではお客さまの命に関わる運転を任されることでもあるため無事故無違反、安全運転を第一としています。この過去がある場合には、詳細についても聞かれますので、これも嘘なく伝えるようにしましょう。
接客・営業の経験はありますか?
難易度★★☆☆☆
これまでの自己紹介から志望動機のなかでこれまでの仕事について触れてこなかった場合、高い確率で質問されるでしょう。
年齢が上がるごとに異業種からの転職者も多く、特にタクシー業界は未経験から挑戦する方も多くいます。
企業側も採用後のミスマッチを防ぎたいため、この質問では柔軟な対応(回答)ができるかを判断されます。きちんと準備していきましょう。
この回答に覚悟が伴っているのであれば採用可能性は真っ直ぐな意見として好印象を与えますが、いわゆる「根拠のない自信」は新卒採用以外の面接で口にしてしまうと、未来への希望だけが大きくなっている気持ちが伝わってしまい面接官によっては険しい顔をされてしまいます。
どんな場所でも、コツコツと目の前の仕事に尽力できる印象を与えることや、業種にかかわらず同じ仕事をする人達のなかでどういったことに気を配っていたのかを伝えることがポイントです。
お客様に対しても、意識をもって配慮ができるのか、どのようなコミュニケーションが得意なのかを端的に伝えます。
車の運転は好きですか?
難易度★☆☆☆☆
車を持っていなくてもタクシードライバーにはなれますが、一度の出勤で最長18時間の拘束時間がとられるため、接客以外でこれを仕事として長期的に続けられるのかが判断されます。この質問が出るのであれば大体コミュニケーションにおいては合格とされていますが、採用後の研修内容にかかわることですので、きちんとした文章で答えられるようにしましょう。
まずこの質問に「いいえ」と答える人はタクシードライバーの面接を受ません。
この質問では話をもっと深掘りしたい意図もありますので1文だけではなく、少々長めの回答を準備しておきましょう。
タクシードライバーは車のマニアが多く、コアな話をすると話が弾むきっかけにもなります。随所、そういったキーワードを織り交ぜて話すとなおいいかと思います。
まとめ
以上の質問をきちんと準備しておくことによって面接時にも慌てず臨めるでしょう。
面接官も人ですので、面接時の質問に上手く答えることができなかったとしても、人柄や雰囲気も含めて評価してくれるものです。コミュニケーションで前向きな姿勢は伝えることができます。
受けるからには、悔いのない時間にしてくださいね。