
■タクシーの料金がグーグルマップで表示された料金と違うのは?

グーグルマップで道順を検索すると、移動手段のひとつに、タクシーを選択した場合の移動距離とおおよその料金が表示されます。
ただ、あらかじめ表示された料金と、実際の目的地まで乗車したときの請求料金が違うのです。

なぜ、タクシーの乗車料金は定額制ではなく変動する料金なのでしょうか。
その原因は2つ。
ひとつめは、実際のタクシー料金は移動距離だけではなく、時間で加算される料金も設定されているため、道路が混雑していたり信号待ちで時間がかかった(速度が10km/h以下)場合には、距離が進んでいなかったとしても90秒ごとに80円の料金が追加されていきます。
例えば、目の前で信号の色が変わって、90秒待った場合には、料金が80円分上がるのです。もちろん、進み始めればタクシーは距離換算になるので走った距離の分だけ加算される仕組みに自動的に切り替わります。
これを時間距離併用運賃といっており、掛かった時間と移動した距離分をあわせて請求されるしくみです。道が混雑する時間帯に利用すると、短い距離でも想像以上の運賃がかかる場合があります。
もうひとつは、運賃とは別にピックアップ場所まで移動するための配車手数料「配車料金」がかかります。
地域によって差がありますが、Googlemapでタクシーを探す場合にはアプリのダウンロードが推奨され、タップするとアプリダウンロード画面に遷移するようになっています。
このアプリはGoogleのグループ企業ではない、まったく別の会社になるため、サービス割引適用もありません。その値段は会社によって差はあるものの、1台につき310円~400円ほどかかります。
※道路沿いで空車のタクシーを捕まえた場合にはこの配車料金はかかりません。
この2つの原因で、あらかじめ表示されていたGooglemapとの料金の差を生み出すと考えられます。配車料金は1度の配車につき1回のみしかかからないものの、時間で追加される時間運賃は道路の混雑状況によって左右されるため、週末の夜の時間帯や、混雑しやすい道路の付近での料金は参考程度にしておいたほうがいいかもしれません。
■請求額高すぎ?!タクシー料金
タクシーに乗車後、自宅までの道のりでウトウト…到着後、請求された金額をみてびっくり「ぼったくられてる?!」と疑ってしまうこともしばしば。とはいえ、タクシーの運転手が手動で運賃を変えることはできないようになっています。
タクシーメーターを押した時点から自動計算され、降車時に合計金額が表示されるようになっているので、タクシー会社が定めている運賃以外に料金がかかることはありません。
それでは何故こんなにも料金が高くなってしまうのでしょうか?
実は、タクシーの料金というのは、移動距離に対して同一の料金という定額制にはなっていないのです。
そこには、信号待ちによって発生している料金があるのです。その場合、時間運賃が多くかかるような交通状況になっているということです。赤信号で止まろうと減速し速度が10km/h以下になった瞬間から、90秒ごとに80円ずつ追加されていきます。
■結局、いくらかかるの?
初乗り運賃と、距離運賃、時間運賃、配車運賃、深夜(早朝)運賃etc、、加算される運賃はさまざまなパターンによって加算されていきます。定額にしてしまうと、ドライバーが道路で混雑に巻き込まれているあいだに、タクシーを求めているお客様を乗せられたはずなのです。
そういったロスを防ぐために、さまざまなパターンを想定して、きちんとタクシードライバーの雇用を守っているのです。
とはいえ、料金を多く取っているということではなく、大体の目安として『昼:1kmあたり400円』、『夜:1kmあたり500円』と考えていれば、実際の運賃に近い金額になります。料金の指標としてぜひ参考にしてみてください。
■料金についてもっと詳しく知りたい方はここから解説!
- 初乗り運賃
- 距離運賃
- 時間運賃
- 配車運賃
- 深夜(早朝)運賃
- 遠距離割引
- 高速道路運賃
■初乗り運賃
まずは、タクシーメーターのボタンを押すと初乗り運賃といって、最低支払わなければならない410円ほどの金額が表示されます。ただ、この金額は会社ごとに違っていて、730円のタクシーもあります。
この金額の差は、初乗り運賃を1kmまでと定めているのか、2㎞までとしているのか会社によって設定が違います。初乗り運賃、東京特別区では410円(1kmまで)、東京以外だと730円(2kmまで)がほとんどです。
初乗り運賃内の距離を超えると、今度は走った距離分の料金が加算されていきます。
1kmを超えると、1kmあたり約350円の料金が加算されていきます。
これが距離料金というものです。
■距離運賃
1kmあたり加算されていく料金です。初乗り運賃の距離を超えると、今度は走った距離を運賃がかかるシステムです。会社ごとに値段が決められていて、距離と比例した料金が加算されていきます。
237mごと80円など、具体的に料金を細かく区切って料金を決められており、距離のみを考慮して、一例を乗せたものが下記です。
【運賃表】
距離 | 1km | 1.5km | 2km | 4km(※) | 9km | 15km | 30km |
運賃 | 410円 | 570円 | 730円 | 1,450円 | 3,130円 | 5,130円 | 10,250円 |
※東京の平均乗車距離
(国交省:http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha03_hh_000255.html)
■時間運賃
そして、厄介な料金形態といえる運賃というのが、ほとんどのタクシー会社が適用している「時間運賃」です。時間運賃 とは、混雑した道路を通る場合や、途中停車する際に減速し速度が10km/h以下になった瞬間から、90秒ごとに80円ずつ時間で加算されます。
・10km/h以下の速度で90秒ごとに80円かかる
※高速道路の走行では例外
距離に関係なく、拘束時間で料金が追加されるしくみになっていて、道が渋滞で混雑している場合や、お客様都合による途中停車などは、この賃料も追加して一緒に支払うことになります。
タクシーメーターには時間料金と距離料金を合わせたものが合計で表示され「時間距離併用制」が一般的にタクシーを利用する際の料金形態となっています。
例)初乗運賃1kmを超えていない距離でも、道路混雑のために5分で到着する場所へ3分(180秒)多くかかってしまった場合には、90秒ごとに80円かかる場合、距離料金に加えて、160円が同時に請求されます。
タクシー会社は距離運賃と、時間運賃を併用した時間距離併用運賃の料金形態で営業しており、掛かった時間と移動した距離分をあわせて請求されるしくみになっています。
■深夜・早朝運賃
22:00~5:00の間は、特別料金として、距離が2割ほど短く計算され加算されていくしくみです。
タクシーのフロント表示には「割増」と書いてあるので、基本料金にプラスされて深夜料金が計算されているイメージですが、2割増しの料金ではなく、距離が2割分短く計算されます。
例えば、初乗り料金が1kmで410円のタクシーでは、2割分短い距離800mの距離で通常時の初乗り運賃分の410円請求されることになります。
逆に、1km走る場合には、410円のところ割増時間帯だと512円となるわけです。
多くの会社は割増時間帯を22:00〜5:00とし、この時間になると自動的にタクシーメーターの料金が切り替わるように設定されています。
さらに、初乗り料金だけでなく時間・距離運賃にも適用されます。
■遠距離割引
例えば、神奈川県であれば9,000円を超えた場合に、超えた料金のうち1割分が値引きになります。
10,000円の距離を走った場合、9000円を超えた金額は1,000円です。そのうち1割=100円が割引になるので、この場合の支払いは9,900円が請求額になります。
都道府県によって、遠距離割引に適用される価格や割引率に差はあるものの、大きく価格が変わるわけではありません。
この割引は正直、得した気持ちにならないほどの割引率ですが、この少しの気遣いというか心配りも、悪い気はしませんよね。ありがとう、という気持ちで割引サービスを受け取りたいものです。
■高速道路料金
高速道路を走行して移動した際の運賃は 走行距離料金+高速料金(ETCでの料金) 合わせたものです。一般道路の運賃に含まれていた時間運賃はこの場合、適用外となります。
事故渋滞で進まない時間帯があったとしてもこの時間分の運賃はタクシーメーターには加算されません。というのも、「高速道路上ではタクシー以外の電車やバスなどの交通機関を選択できないため、渋滞があっても時間制運賃を加算してはならない」と法律で決められているためです。
例えば、高速道路が事故渋滞で混んでいる場合でも時間に余裕があるときには、一般道路で時間運賃が適用される料金よりも、高速道路での移動がお得な場合もあるので、有効に使ってみたいものです。